液体絆創膏の驚くべき使用感
あるドラッグストアにいったら、
「コロス」
という薬があって、ギョッとしたんだけど、よく見たら一部が値札に隠れてて、正しくは「コロスキン」だった。なあんだ。
コロスキンは昔からある「液体絆創膏」。患部を保護する膜をつくる「ピロキシリン」と、防腐剤の「d-カンフル」が入っていて、ささくれに塗るとビニールで患部がカバーされたようになる。
あるとき、ささくれに悩むお客にコロスキンを紹介したら、
「匂いは?使用感は?」
と聞かれて、紹介しておきながら一度も使ったことがない僕は、ウーンと唸るのみというダメっぷりをさらした。
で、後日、自分で購入して使ってみたのだけど、驚いた!
これすごいじゃん!めっちゃいい!すっかりハマってしまった。
ビニールでささくれを保護。バスケット選手も愛用?
コロスキンは、透明な粘性のある液体で、患部にするとすぐに固まり、患部がビニールでラップされたようになる。塗った瞬間は強い匂いがある。昔駄菓子屋で売っていた、ストローに息を吹きかけてふくらませたビニール風船をご存知の方は、あれを想像してほしい。匂いも見た目も、ちょうどあのビニール玩具に似ている。
発売したのは「戦争で資料が紛失して不明」とメーカーが説明するほど古く、1940年代にはあったらしい(※1)。
メーカーのサイトには、「東京サンレーヴィス」というバスケットチームの選手がコロスキンをお勧めしている。初めてコロスキンを使った時の驚きを語っているのだけど、まさに僕もそんな感じだった。
コロスキン SPECIAL VOICE | 株式会社 東京甲子社
たしかにコロスキンを使うと、ささくれの痛みは見事に回避できる。被膜は皮膚へ強く固定されるので、水洗いしても、なかなか落ちない。ウソかマコトか、1μmの微生物さえ侵入させないという話もある(※1)。
ちなみに医療用では、コロスキンとは成分が異なるけど、「アロンアルファA『三共』」という類似薬がある。キズ口はもちろん、血管などの接着に使える(※2)。
ささくれとの一体化にはご用心!
コロスキンはネット上でもあちこちで絶賛されている。
ところが、あるとき気づいたのだけど、この”なかなか落ちない”ビニール状の膜が、ときにやっかいなことがある。ささくれに塗ったら、いつの間にかささくれと一体化して、さらに大きなささくれになっていたのだ。ビニールだけをはがそうとしたら、大きくんなったささくれも一緒にはがれそうになり、一瞬背筋が凍った。この瞬間、僕の中のコロスキン株は大暴落した。
しかたないので放置したら、当日夜の温水シャワーでビニールがはがれたらしく、いつのまにかきれいになっていた。
コロスキンはほっといても取れないので、患部に異常を感じたら、お湯でちゃんと洗っておとしたほうがいい。
コロスキンは保湿剤ではないので、ささくれを予防できない。ささくれたら、その都度塗らなくてはいけない。ちょっと値段が高いのが難。800~900円くらいする。
また、出血している部分には使えない。出血中に傷を膜で被うと、膜の中で化膿する可能性がある(※3)。その他、使用上の注意はメーカーのサイトを参照されたし。
料理に混入したら・・・
こうした注意点はあるけれど、コロスキンでささくれで悩むことはだいぶなくなる。値段が許容で、ささくれが大嫌いな人にはお勧めしたい。お店で薬剤師・登録販売者にも聞いたら、もっと詳しい情報を得られるだろう。
昔からある薬なので、知っている人は知っている。そんな薬なのだろう。歴史があり使用者も多いせいか、メーカーの「よくある質問」の内容には、
「料理に混入してしまったのですが大丈夫ですか?」
などと、にわかに信じがたいものがある。
どんなシチュエーションですかね。
※2 https://www.medicallibrary-dsc.info/di/aron_alpha_a/pdf/pi_arn_1003.pdf