今週の市販薬情報を紹介します。今週はいろいろありましたね。まず、風邪薬の新商品が来週発売します。ルルアタックTRという薬です。TRはトラネキサム酸ではなくTime Releaseです。たぶん。1日2回服用タイプで、トラネキサム酸は入っていません。ご注意を。
また、女性の鎮痛薬常用者が増えているという話もありました。これも気になりますね。
一番話題になったのは、爽健美茶で流産する!?という話でしょう。ヤフートピックにも載りました。爽健美茶に含まれるハトムギが流産の原因になるからガブ飲みしないほうがいいというツイートが「拡散希望」として広まったものです。
結論からいうと、爽健美茶は飲んでも流産にはならないでしょう。医療に”絶対”はないですけど、かぎりなく100%に近い確率で、流産の原因にはならないと思います。
ハトムギの渋皮をとったのがヨクイニンという生薬成分になります。ヨクイニンは動物実験で子宮収縮作用が認められているようです。ただ、人で同じ作用が認められているという情報はなく(私は知らない)、人への影響はあったとしても極めて軽微と思われます。まして流産したという話は聞いたことがありません。というわけで、近年は問題にはなっていません。かつては流産するかもという伝承があったようです。昔はハトムギの保管状態が悪かったため、発生したカビ毒が原因だったのではないかと考えられています。
ヨクイニンではなく、ハトムギの渋皮に流産の原因となる成分が入っているのでは、という反論もできそうですが、いまのところそれを示唆する研究はありません。
一応、Pubmedでcoix、 miscarriage、abortion で検索しましたが、特に情報は見当たりませんでした。
何事も100%否定するのは難しいのですけど、このハトムギ・ヨクイニンに関しては理屈的にも実際的にも、ほぼ否定できると思います。
気になる人は主治医、もしくは店頭の薬剤師に聞いてみてください。
爽健美茶で流産? 根も葉もない噂、コカ・コーラ社が否定「妊婦が飲んでも問題ない」(ハフポスト日本版) - Yahoo!ニュース
【2018/8/22市販薬情報】厚労省研究班の調査(https://t.co/hB3gfXmvHx)によると、習慣的に鎮痛薬を服用している女性が増えているそうです。https://t.co/kULu4C0ePa
— kuriedits (@kuriedits) 2018年8月22日
【2018/8/23市販薬情報】かぜ薬ルルアタックシリーズから新商品「ルルアタックTR」登場。かぜ薬では珍しく1日2回服用タイプ。成分は特定の症状に特化したものではなく、まんべんなく効かせる内容。名前にTRと付いてますがトラネキサム酸は含まず。ご注意を。8月27日発売https://t.co/mHoAsvY3xQ
— kuriedits (@kuriedits) 2018年8月23日
【2018/8/24市販薬情報】ハトムギで流産するというツイートが話題に。ハトムギ/ヨクイニンの過剰摂取は子宮収縮(マウス)の可能性ありますが流産する程ではなく近年問題なしと考えられています。伝承は昔保存が悪くカビが原因だったと見られます。https://t.co/zTZnbjG9MYhttps://t.co/Au9el9Zas5
— kuriedits (@kuriedits) 2018年8月24日