『家庭の薬学』

自分に合った市販薬を選びませんか?

2020/3/9~3/13までの市販薬情報です

今週の情報です。消毒薬に関する情報が多すぎてまとめきれていないのですが、色々動きはあります。全体的に眺めていると、個人も一定のリテラシーがあったほうがいいのかなと感じます。店頭では未だに「除菌シートを買ったけど、アルコールタイプじゃなかったから返品したい」というお客さんが珍しくありません。

それから今、なぜか傷薬のマキロンが売れています。どうやら、マキロンがコロナウイルスに効くかのような情報が出回っているようです。マキロンのエタノールは24%以下です。消毒には最低60%は必要なので、これは意味がないと考えてよいでしょう。部外品のマキロンをコロナ対策として販売していたコンビニもあるようです(ツイッターに画像が上がっていました)。

海外に目を向けると、まず、フランスでは「6日付の省令で、全ての薬局薬剤師は、自分で精製した消毒用アルコール・ジェルを販売しても良い事になりました。(公定価格3ユーロ/100ml)」という記事。「フランスで新型コロナウイルス感染拡大:「過剰に恐れず、重症者を守る」対策方針 日本との違いは?」

フィンランドやドイツでも似たような動きがあるようです。WHOでも作り方を公開しています。一方で、消毒薬のトラブルの記事も出ているようです。NYTの記事ではDIYはアリだけど、成分には気をつけるようにとの記事

日本の薬局でもアルコールジェルを販売できたら、とは思いますが、そもそもエタノールが不足しているので、今の状態では無理なのかなと。こちらの記事がよくまとまっていると思いました。

ハンドサニタイザーを手作りする必要がない理由 | ライフハッカー[日本版]

そもそも、消毒薬アルコールは、十分な手洗いができない場合の次善の策であって、日本では手洗いができる場所が多いですから、それでいいじゃないかというわけです。

こんな記事もありました。消毒薬の話は深いので、わたしももう少し調べないとです。

なぜ新型コロナウイルス対策に「石けん」が最強なのか? - GIGAZINE

 

こちらは薬剤師の小嶋さんのツイートです。

それから、イベント事業者などがエタノールを詰め替えて使う行為については、OKとするようです。わたしが先月応えた取材ではデリケートな問題なので推奨しませんとしました。厚労省の事務連絡(2/28付)では事業者対象ですが、一般の方々も「ああ、詰め替えていいんだ、国もOKしてるんだ」と読むでしょう。

消毒液「詰め替え用」推奨 政府が容器不足の解消に期待 新型コロナ - 毎日新聞

https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000601674.pdf

わたしのブログではノーコメントとさせていただきます<(_ _)>

エタノールの不足の一因になっている国内の転売についてはこんな記事がありましたね。

 

海外では薬局関連の情報が増えています。病院へのアクセスが日本ほど良くないので、薬局の役割が大きいのでしょうね。日本も海外ほどではないですけど、できることがあると思います。例えば、感染症の専門家によれば、いまコロナウイルスの感染のリスクが高い場所は「病院」であるとされています。ちょっとした風邪などは、受診よりも薬局に相談して市販薬で対処したほうがいいかもしれませんよね。消毒薬のアドバイスもできます。日本の薬局はその受け皿になると思います。

今回のコロナウイルスの件は、ドラッグストア・薬局の機能について色々考えさせられます。

さて、その他の情報です。旅行先でもハンドジェルは持って行ったほうがいいかも、という研究。ただ、思ったより効果ないのかな・・・という印象です。まあ、手洗いができないアジアではないよりマシなのでしょうね。

 

こちらはデンマークの市販薬規制について。オープンアクセスの論文です。introducitonが非常にまとまっています。いつかちゃんとまとめたいと思っているのですが、海外ネタはつい先送りになっています・・・。

 

ではでは。