アレルギーからくる喉のかゆみを抑える薬「カユノード」が10月23日に発売しました。花粉症の季節になると喉がムズムズしたり、喉が張り付いた感じがすると思います。あの症状を抑えるアレルギーの薬です。成分はメキタジン、グリチルリチン、フェニレフリン。水なしで飲めるのが特徴です。眠気が出る可能性があるため、服用時の運転は禁止です。
https://www.kobayashi.co.jp/newsrelease/2024/20241023/
今日はこの新商品の説明をします。まず、パッケージに「痛みに速攻」とありますが、これは要注意です。
「速攻」には小さな注釈があり、「※1 早めの対処のこと」と記載されています。「早く効く」ということではないのです。どういうことか。2つ考えられます。
1つは、アレルギーの薬は早めに飲むと効きが良いということ。花粉症シーズンが近づくと、「症状が少しでも出たらすく薬を飲み始めましょう」といいますよね。それです。
2つめは、メキタジンの効果。メキタジンには、抗ヒスタミン効果のほかに、ロイコトリエン受容体拮抗作用というものが存在します。この作用は鼻詰まりを抑える効果があるのですが、飲み始めてから効果が現れるまでに数日を要します。
こうした理由から、メキタジンは少し早めに飲むと良い薬であるといえます。「速攻」であって「即効」ではないのです。シンプルにちょっとひどくないですか。
製品の成分としては、それほど悪いものではありません。ユニークで特徴がはっきりしていて選択肢が増えるという意味では、良い新製品かもしれません。
まずメキタジンを使っている点がおもしろい。アレルギーの薬はたくさんありますが、メキタジン配合の薬はあまり多くありません。メキタジンは第二世代とよばれる比較的眠気のでにくい成分です。アレグラなどで効き目がいまいちという方は試してみてよいと思います。ただし、アレグラよりも眠気は出やすくなりますので、車の運転などは禁止です。
グリチルリチンとフェニレフリンは、どちらも炎症を抑える効果があります。フェニレフリンは血管収縮作用があることで、鼻詰まりの改善目的で使われることが多い成分ですが、ここでは、メーカー曰く、「鼻詰まりが起きる」→「口呼吸が増える」→「のどがいがいがの不快感や痛みが起きる」という流れの元を絶つ目的で配合されています。これにどこまで効果があるのか、個人的にはやや怪しいように思いますが、まあ、それはそれとしてという感じです。
ただ、先述のとおりメキタジンには鼻詰まりも抑える効果もありますから、成分もチョイスとしては理屈が通っているように思います。
このような第二世代の抗ヒスタミン成分+鼻詰まり改善成分という組み合わせの薬は、いまの市販薬市場ではわりとレアです。類似の薬としては、「アルガード クイックチュアブル」があります。成分はかなり近いですが、アルガードはカフェイン配合なので、ここが選ぶ基準になります。
ただし、ひっかかるのがお値段です。この秋の季節、花粉などが原因の場合は、しばらく飲み続ける必要があります。カユノードの価格は12包1200円(税抜)。4日分で1200円です。高っっ!飲み続けてもせいぜい1週間分でしょう。本来であれば、安価な抗ヒスタミン成分の商品を購入するのがファーストチョイスになると思います。
突発的なアレルギー症状でのどが不快になっている人には、良いでしょう。そういう意味では、わりと使い勝手が狭い薬です。購入するには、市販薬を見る目が必要です。