『家庭の薬学』

自分に合った市販薬を選びませんか?

花粉症薬タリオンが市販薬として発売。そして隠しきれない今更感【2020/12/7~12/11のニュース】

処方薬のタリオンが花粉症薬として10日に発売しました。商品名は「タリオンAR」です。

hc.mt-pharma.co.jp

1日2回タイプです。10錠で1280円、30錠で2480円(共に税別)。高いですね。

タリオンの特徴を挙げるなら、最高血中濃度が服用後約1時間で到達し、これはアレグラ、アレジオン、クラリチンよりもだいぶ早いほうです(わかりやすくいうと、吸収が早い)。また、一緒に飲む薬などの影響も受けにくい性質を持っています(腎排泄メイン。アレグラと違って制酸剤等の影響も受けない)。花粉症でタリオンを処方された経験があり、気に入っている方なら良いと思います。そうでなければ、どうでしょう。今は安価で効果もそれなりに高い花粉症薬が多くあり、発売したばかりのタリオンには販売制限が色々ありますので、この薬をあえて選ぶメリットは今のところあまりないかもしれません。

ところでこのタリオンについては、市販薬化して良いことが国に認められたのは2016年のことでして、なんとそれから5年も経ってからの発売であることにまず驚きを隠せません。正直、私はもうメーカーは発売する気がないんだろうなと思ってました。

2016年当時、同じタイミングで市販化が認められた花粉症薬にクラリチンがあります。クラリチンは年が明けて2017年にすぐに発売しました。発売当時は制度上の都合で「要指導医薬品」という、薬剤師による安全確認が必要な販売ルールで、ネットでも購入ができませんでしたが、それからだいぶ販売制限が緩和されまして、来年2021年1月中には「第二類医薬品」という、薬剤師不在でも購入できるようになる予定です。一方、発売が出遅れたタリオンは「要指導医薬品」からのスタートとなりますので、購入する人はかなり限られるのではと思われます。

この5年という差はとても大きいのです。メーカーさんの都合ではありますが、一体なぜ?という気もします。発売するしないはメーカーの自由ですし、何か都合があったのかもしれませんが、一応、政府の有識者会議で資料を集めて検討して・・・という時間と人的コストを費やして決めたことなので、このように長い時間がかかった理由は気になるところではあります。

 

さて、そのほかのニュース。11日にウエルシアがにしたんクリニックのPCR検査サービスキットの取り扱いの開始を発表しました。このキットを扱うドラッグストアが増えてきましたね。

https://www.welcia-yakkyoku.co.jp/wp-content/uploads/2020/12/b6e4c831affaa6ba7f01ea6f43720f28.pdf

 

同じく11日、消費者庁が次亜塩素酸水の販売業者6社に景表法違反による措置命令を出しました。商品検査を行った結果、表示されている濃度を大幅に下回り、ほとんど成分が検出されなかったものもありました。

また、次亜塩素酸水とは別に、65%と表示されたアルコールスプレーが実際には50%程度であったことがわかり、こちらも景表法違反となりました。

https://www.caa.go.jp/notice/entry/022403/