謎の外国人が薬飲んで「ふぅぅぅぅ」
オフィスで外国人の男性がデスクワークをしていると、突然腰に痛みが走る。顔を険しくしながら、薬をボリボリと食べると、痛みがすーっと引いて「ふぅぅぅぅ~」と安堵の溜息。
一度観たら忘れられないこと必至のCMといえば、解熱鎮痛薬「ラックル速溶錠」だ。
「ラックル 外人」でググれば、「あの人だれ?」「なんで外国人?」という戸惑いと好奇の声がネット中にあふれている。
この腰痛持ちサラリーマンを演じているのは、外国人タレントのウォルター・アントニーさん(※)。身長180センチ、1965年生まれのナイスミドルで、ちょこちょこと日本のテレビに登場している。
今回は完全に主役の製品より目立っている。
【CM】日本臓器製薬 肩用ラックル顆粒&ラックル速溶錠(2013年) - YouTube
薬の成分は国内外でおなじみの「アセトアミノフェン」
そして、肝心のラックルの薬効成分といえば、この奇抜なCMとは好対照に、とてもオーソドックスな内容だったりする。
ラックルの成分は「アセトアミノフェン」という。市販の風邪薬によく使われている解熱鎮痛成分だ。病院で処方されることもある。ほかの解熱鎮痛成分と比べると、比較的副作用が少なくて安全な薬だといわれている。
海外ではとてもポピュラーな成分でよく使われている。ただし、日本の市販薬は1回量が300mgで、海外(500mg)よりも少なめに制限されているので、鎮痛効果がやや低い。日本の他の市販の解熱鎮痛薬(パブロンなど)の成分と比較した場合も、正確な科学的なデータをぼくが持ち合わせているわけではないが、鎮痛効果はやや劣るかもしれないという評が同業者の間には多い印象(「ロキソニン」と比較すれば、ロキソニンの方が強いことはほぼ確実だとは思う)。
ラックルのライバルは「タイレノールA」
ラックル速溶錠のライバルは、同じ成分の「タイレノールA」という薬だ。
定価は、
タイレノールA:733円/10回分
ラックル:950円/12回分
で、少しだけラックルの方が高い。ただし、ラックルの錠剤は「速溶」といって、水で素早く溶ける工夫がほどこされている。そのため、タイレノールよりも、効き目が速く表れる可能性がある。速さの程度については、薬剤師によって見方が分かれるだろう。
どんな人が使うといいの?
通常の腰の痛みであれば、貼り薬が一般的。仕事中の急な痛みで薬を貼れない、という場合にはラックルが便利だ。ひょっとしたら、CMは、薬を貼る暇もないほど忙しいワーカーホリックなエグゼクティブをイメージしているのかもしれない。そんな人がいるかどうかはしらないけれど。
ラックルは腰痛だけでなく、頭痛などほかの体の痛みにも効く。むしろそっちの方が、使い勝手がいいかもしれない。
気になる人は、店頭の薬剤師・登録販売者に質問を。
ところで、CMに出演しているアントニーさん、本当はもっとかっこいい。