ドラッグトピックスという業界紙の今週号(2020年4月20日号)に漢方特集が組まれていました。漢方薬の市場は右肩上がりです。
「ここ20年で、生活者に最も浸透したOTC医薬品の一つは、漢方薬といえる。1996年から2018年までの間に販売金額が最も伸長したカテゴリーは漢方薬で、253億円も市場が拡大した(インテージSDI)」。19年には市場規模が600億円を超えた(同)」<ドラッグトピック>
と書かれています。
驚いたことに、600億円の内訳はざっくり100億円は葛根湯、100億円が防風通聖散、そして400億円がそのほかの漢方薬だそうです。
葛根湯と防風通聖散で市場の3分の1を占めるんですね。
葛根湯といえば風邪の薬です。使われたことはあるでしょうか?漢方薬なんて・・・と敬遠するのは食わずぎらいのもったいなさ。うまく活用すればセルフケアの良きお供になるかもしれませんよ。市販の葛根湯にも色々種類があります。ぜひ店頭で「葛根湯ってどうですか?」と質問してみてください。
近年はインバウンドでも日本の漢方薬が人気を博しました。その立役者となった小林製薬は今、漢方薬に力を入れていて、色々な商品が出ています。
また、ロート製薬も漢方薬の新商品を発売しています。
最近は小林製薬が「テイラック」を4月に、ロート製薬が「キアガード」を3月に発売しました。どちらも気圧(天気)の変化による頭痛向けの痛み止めとして発売されており、その成分は五苓散という漢方薬です。
先述の記事では、漢方薬の購入先の調査結果も紹介されていました。2013年のやや古いデータですが(神奈川県薬剤師会「漢方薬についてのアンケート調査」)、漢方薬は43.2%の人が薬局やドラッグストアで購入しているそうです。これは病院などで出されたものを使う人(38.6%)よりも高い数字です。それだけ、漢方薬は市販薬として馴染みやすいということだと思います。
市販の漢方薬の需要は今後もかなり高まっていくのではないでしょうか。
訂正:「400億円は葛根湯」は「100億円は葛根湯」の誤りでした。「葛根湯」と「その他」の色味を正しく判別できておりませんでした。お詫びして訂正します。