『家庭の薬学』

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1回服用量90粒!和歌山の寺メディシン「和歌保命丸」【2024/6/10~6/14のニュース】

1回の服用量が90粒。これを超える薬を、寡聞にして知らない。

和歌山方面に行くと手に入る胃薬「和歌保命丸(ほめいがん)」。直径3ミリの丸薬だが、その服用量は、なんと大人で1回90粒。どうやって数えるの!?と不思議になるが、ご安心を。90粒で1包装となっている。数えたことはないけれど、ちゃんと90粒入ってる、たぶん。それをザーッと口に流し込む。生薬特有の苦味は感じにくい。

子供は減量して飲む。5歳以上8歳未満は30粒。これは数えます、諦めてください。

そんな和歌保命丸には、さらにユニークな点が3つある。まず、15種類という、他よりもずっと多くの種類の生薬を使っている点。例えば全国的に有名な「太田胃散」は7種類。さらに多くの生薬を使っている「奥田胃腸薬」でも12種類で、和歌保命丸はそのさらに上をいく。

2つめ、生薬の種類も面白い。地方の伝統薬は止瀉作用の強い「オウバク」を中心に構成されているものが多い。和歌保命丸はオウバクを使っていない。代わりに、「ガジュツ」や「センブリ」「モッコウ」など、胃腸の調子を整える成分が多い。下痢止めとしての効果はややマイルドかもしれないが、弱った胃腸は整えてくれそうだ。

そして3つめの特徴、それは製造しているのが「寺」であること。寺の敷地内に会社があり、社長はその寺の住職。本当かなと住所を調べたら、本社工場と寺の住所が同じでした。

Why、寺が薬を作ってるの?ざっくり言えば「信長に追いやられた寺の人が伝えた薬だから」らしい。話せばなくなるので、下の記事をご覧あれ。

伝統薬のチカラ 織田信長に徹底抗戦 石山本願寺・教如ゆかりの「和歌保命丸」

https://www.sankei.com/article/20231201-HLJBMBWDWJMVFGDRMIPPGYHQO4/

関東の人間である私だけど、家にはこの薬が2袋、常備薬箱に入ってる。

ところで、なぜ1回90粒なのか。1回9粒で製剤できないのか。一般的には、錠数を多くすることで、小さな子供でも量を調節して飲めるメリットがある。しかし、和歌保命丸は小児でも30粒飲まなくてはいけなくて、これはどうだろう。

 

これがなんで今週のニュースかというと、こういうネットの話題があって、思い出したから。

これは便利! 3Dプリンターで「棒」と「輪っか」製作→“まさかの使い道”に驚き 「ここにも天才が」

https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/2406/02/news027.html