佐藤製薬が鎮痛薬『リングルN300』を5月10日に発売しました。アセトアミノフェン1回300mgで、すでに市場に出回っている他の多くのアセトアミノフェンの薬と同じ1回量です。生理痛薬として有名な「リングルアイビー」を看板商品に持つ佐藤製薬が、リングルブランドとして、アセトアミノフェンの薬を発売した格好です。リングルブランドですが、リングるアイビーシリーズとは成分は全く異なりますのでご注意ください。
リングルN300 | 製品検索 | 薬と健康を見つめる製薬会社 佐藤製薬株式会社
新商品の特徴は小粒で飲みやすいこと。また、外箱に「ワクチンによる注射後の痛み」と記載しているのは、時流を掴んでいるのか、掴み損なっているのか、ちょうど今週に新型コロナが5類に移行した今となってはよくわからないところ。
新型コロナ以降、さまざまなメーカーがアセトアミノフェンの新商品を発売してきました。新型コロナ感染拡大時期に、比較的安全性が高いという理由で、多くの人がアセトアミノフェンを求めて店になだれ込みました。今となっては懐かしい思い出です。
当時は、アリナミン製薬(当時は武田)の「タイレノール」が、アセトアミノフェンの代表商品でした。ライバル製品がほとんどなかったんです。コロナ禍を経て、いまは他のメーカーからもたくさん出ています。
コロナ後に発売された製品をおさらいしてみましょう。
●佐藤製薬「リングルN300」単剤 15歳〜服用可能
●興和「コルゲンコーワAA」単剤 15歳〜服用可能
●大正製薬「ナロンm」グリシン等配合 7歳〜服用可能
●アラクス「ノーシンアセトアミノフェン錠」単剤 7歳〜服用可能
そして、今後は第一三共ヘルスケアから「カロナールA」が発売される予定です。カロナールは、病院で処方されるおなじみの薬です。
こうしてみると、同じ成分の薬が、複数のメーカーから発売していることがわかります。パンデミックは定期的に全世界で発生しています。また新型コロナのような感染症が流行しても不思議ではありません。安全性の高いアセトアミノフェンが入手しやすいことは良いことかもしれません。とはいえ、これだけ種類が必要なのか、という気持ちもあります。
よくよくみると、商品によって、7歳から服用可能なものと、15歳から服用可能なものがあります。これは1錠の大きさが異なるためです。7歳から服用できるものは、1錠が小さく(正確には成分が少なく)、15歳以上が服用する場合は2錠飲む必要があります。15歳以上から服用できるものは、1錠で済みます。
いままで主役だったタイレノールは、とにかく1錠が大きかった。今回発売のリングルN300は、それよりかなり小さくて飲みやすいといえます。
とはいえ、グリシンなどが配合された「ナロンm」を除けば、どの商品も有効成分は全く同じです。価格と飲みやすさで選んでよいでしょう。