『家庭の薬学』

自分に合った市販薬を選びませんか?

白目トラブルの新成分。充血除去の目薬登場【2024/5/20~5/24のニュース】

新しい成分の目薬が登場するようです。成分は「ブリモニジン酒石酸塩」。現時点で、厚労省の会議の資料がアップされていないので、詳細は不明ですが、目薬としては久しぶりの新規成分となりそうです。製品名は「マイティア ルミファイ」です(予定)。

https://pnb.jiho.jp/article/236528

ブリモニジン酒石酸塩は医療用医薬品で使われている成分です。医療用では「アイファガン」という点眼液で、眼圧を下げる効果を期待して緑内障治療に使われます。

今回、これが市販薬成分として国からOKが出るようです。といっても、緑内障治療薬が市販薬になるわけではありません。報道によると、市販薬の効能効果は「結膜充血」。結膜とは”白目”の部分です。

白目のトラブル相談は時々あります。充血もあれば、ベタッと血のシミがついたような場合もあります。充血を取り除く効果のある市販薬はたくさんありますが、すぐに充血がなくなるような満足いく即効性は得られない印象です。新成分は即効性があることを期待したいですが、ただ、充血は目の血管が広がって赤く見えている現象なので、もし直ちに目立たなくするような強力な血管収縮効果があるとしたら、それはそれで個人的にちょっと心配です。

白目トラブルでは、ベタッと血のシミのような充血で相談される人も時々います。これは「結膜下出血」と呼ばれるもので、血管が破れて血が出ている状態です。ギョッとするような血のシミですが、痛みなどの症状も特になく、放っておけば自然に治ります。基本的には受診する必要はありません。心配して眼科を受診し、薬局に来られる人もいますが、病院でもこれといった治療薬はありません。

もちろん心配なら受診もいいでしょう。充血であっても、痛み、まぶしさ、見えにくさなどがあった場合は眼科を受診するのがセオリーだとされています(※)。

 

※「ジェネラリストのための眼科診療ハンドブック」