この6月は発毛剤が2つ発売されました。1つは佐藤製薬の発毛剤「アロゲイン5 MX」が6/24に新発売。現行の「アロゲイン5」に、複数の成分が追加されたバージョンアップです。現行品は60mL(30日分)で税抜6980円。新商品は72mL(約36日分)で7,980円。現行品の市場価格(ネット等)は4000〜5000円まで下がっていますので、かなりの値上がり感です。
もう1つは、アートネイチャーの「LABOMO ヘアグロウ ミノキシ5 ネオ」。「アロゲイン5MX」と同様、発毛成分であるミノキシジルを5%含有した製品です。
こうしたミノキシジルの製品は多数あります。すべて「塗り薬」です。そして、説明書には「飲まないように」と書かれています。飲む人、います?
いや、いるかもしれません。
海外では「飲む」錠剤タイプのミノキシジルが存在します。塗り薬と飲み薬のどちらがよいかは気になるところでしょう。今年4月、こんな研究報告がありました。
Oral Minoxidil vs Topical Minoxidil for Male Androgenetic Alopecia A Randomized Clinical Trial
https://jamanetwork.com/journals/jamadermatology/article-abstract/2817326
塗るタイプのミノキシジルと、低用量の飲むタイプのミノキシジルの効果を比較したというものです。結果をみるかぎり、ほとんど差はなさそうです。それよりも気になるのは、飲むタイプのミノキシジルの副作用です。かなり高い割合で「多毛症」、つまり毛深くなる副作用が報告されています。
多毛症の副作用発現の頻度を「塗り」と「飲み」で比較報告したものを見つけることはできませんでしたが、おそらく、飲み薬のほうがかなり多いのではないでしょうか。飲み薬は全身に作用しますから、当然といえば当然です。
飲むタイプのミノキシジルは日本では流通していません。わざわざ個人輸入して服用するメリットもありません。2017年の国内の治療ガイドラインでは、飲み薬は「おこなうべきではない」としています。日本の病院にかかれば、ミノキシジルとは異なる発毛成分の飲み薬を処方してもらえます。
そのほうが効果的で、なにより安全です。