今週のニュースは3つ。
最初のニュースは、大正製薬が販売機の実証試験第二弾を発表したことです。今回は発毛医薬品のリアップや、抗原検査キットなどの第一類医薬品も対象。設置場所の龍生堂永山店は保険調剤をおこなっているので、当該店の薬剤師がオンラインで対応するものと思われます。3月下旬より3ヶ月実施予定。
いま、オンラインで資格者とやり取りをすることで、コンビニなどでも市販薬を販売できるように規制緩和が進んでいます。この規制緩和と、今回の販売機の実証試験を合わせると、いずれはコンビニに設置された販売機で、遠隔の薬剤師とやり取りをしたうえで、ロキソニンやリアップが購入できるようになりそうです。これは時間の問題でしょう。
続いてのニュースは、メロキシカムとラベプラゾールが要指導医薬品へ指定されることが官報で告示されたこと(21日付)。同日、エーザイはニュースリリースで、パリエット(ラベプラゾール)を市販薬版の製造販売承認を取得したと発表しました。これは大ニュースです。
https://www.eisai.co.jp/news/2025/pdf/news202522pdf_2.pdf
パリエットは、胃酸を抑える胃薬の一種です。同じ効果の薬ではガスター10が有名ですが、パリエットはガスター10とは異なる「プロトンポンプ阻害(PPI)」という作用機序で効果を発揮します。薬学の世界では、PPIは主流の胃薬。病院で処方される胃薬も大半がPPIです。じつはずいぶん前に、このPPIを市販薬にするという話が厚労省で検討されましたが、医療用としてバカスカ使われる効果の高い薬は、セルフケアの薬として適切ではないという反対意見があり、そのときは見送られました。では、今回はなぜGOが出たのかといえば、私が見るかぎりは、「海外で当たり前のように市販薬になっているのだから、日本もすべき」という、身も蓋もない方針で市販化になったように思います。
決まってしまえば、あっけないものです。あんなに反対されたのはなんだったのか、ここまで時間をかける必要があったのか。 昨今、遅々として市販化が進まない緊急避妊薬もこうなると思います。つまり、あとで振り返れば、「あのとき、なんであんなに時間をかけて拒んだのか」という疑問です。しかし、誰も責任は取りません。熟議によって生じる機会損失(たとえば、1年市販化を遅らせることで生じる、望まない妊娠の発生件数など)を数値化して議論しないので、どうしても時間をかけて検討する力学ばかりが強くなるのだと思います。
最後は、「ウナコーワエースプレミアム」が3/21に新発売したこと。 プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル(PVA)を0.3%配合。既存のPVA製品はほとんどが0.15%です。濃度が2倍になったからといって、効果も高くなるのだろうか(うろおぼえながら、むしろ、変わらないというデータがあったような・・・?)。
ともあれ”0.3%の配合剤”は本製品が日本初とのこと。単剤としては、「新リビメックスコーワ」があります。