効かないのに、あたかも効くかのように宣伝していた―――。クラシエの市販薬「ヨクイニン」の広告に問題があったことを2月20日付の毎日新聞が報じています。
ウイルス感染が原因で起きるいぼにしか効果が望めない市販の服用薬の広告に、加齢によるいぼに効くように受け取れる写真が使われているとして、日本臨床皮膚科医会と日本皮膚科学会が販売会社に是正を求めていたことが20日、分かった。指摘を受けたのは2社で、写真の削除や修正に応じた。
ヨクイニンは肌トラブルを治したい人が購入する薬です。イボに効くとされており、病院でも処方されることはあります。ただ、イボにはいろいろ種類があり、ヨクイニンが効くとされているのは、ウイルス性のイボだとされています。
ところが、クラシエでは、あたかもウイルス性ではない加齢に伴うイボに効くかのような宣伝をしていたそうです。再び毎日新聞の記事より。
だが福岡市の「新日本製薬」と、東京都港区のクラシエグループがクラシエブランドで販売するヨクイニンの広告には、茶色っぽい膨らみなど、加齢性の特徴を持ついぼが顔や首にできた女性の写真が使われていた。 医会側は「効果が期待できない症状の写真を使うのは問題だ」として2016年2月から新日本製薬に繰り返し是正を要望。厚労省も「症状の表記は適切にしてほしい」と同社に伝えた。
いまは問題となった広告は存在しないようです。いつ是正されたのかはわかりません。どうしていまごろ表に出てきたのかフシギです。記事によると医師側は2017年春にクラシエ側にも意見書を送付していたそうです。こうした是正を要望した医師会は、もっと公(おおやけ)にして動いてほしかった思います。どこかで問題を公表していたのでしょうか?もし、そうでなければ、ひっそり是正を促し、こっそり修正という展開には疑問が残ります。なぜ、メーカー側はすぐに要求に応じなかったのか。老人性のイボにもヨクイニンが効くと主張したのか。だとしたら、その根拠は何か。
すでに問題は解決しているとはいえ、消費者不在の釈然としない幕引きです。