『家庭の薬学』

自分に合った市販薬を選びませんか?

ドンキがアレグラのジェネリックを2月に販売!さらにジェネリックを20品増やす【2021/1/25~1/29のニュース】

ドン・キホーテで市販薬が買えるってご存知でしょうか?

しているんですよ。私も渋谷など何店舗かのぞいたことがあります。そのドン・キホーテが2月1日に市販のアレグラのジェネリックを発売することを発表しました。30日分1480 円(税抜)。これはかなり安い方です。例えば同じくアレグラのジェネリックであるアレルビはドラッグストアでは28日分で2500円くらいが相場だと思います。同じリアル店舗同士でも価格に大きな開きがあります。もっとも、ネットに目を向ければアマゾンがアレルビ28日分975円(1月30日現在)で販売されていますけどね。

ドンキは今までも市販薬を店舗で販売してきましたが、今年中にジェネリックの薬を約20アイテム発売する予定であるとリリースしています。実に今の業界を象徴する大きな動きと言えます。つまり、価格競争がさらに激しくなるということです。

https://ppih.co.jp/news/pdf/news_210129.pdf?pre=nw&_fsi=PEkst9Q0

先日、若い薬剤師とたまたまドンキについて話をしていたら「ドンキは昔から薬やってるんですね」と驚かれていましたが、私みたいなおじいしゃんの時代にとってはドンキと市販薬には深〜い繋がりがあるんじゃぞい。

それは、テレビ電話を使った市販薬販売!

今からおよそ20年ほど前、2003年8月にドンキはテレビ電話を使って24時間対応の「薬剤師センター」を新設しました。当時はいまと法律も市場環境も違いまして、お店に薬剤師が不足していて、薬剤師がいないので市販薬が売れない(お客さんが困る)という問題があったんですね。そこでドンキが考えたのがテレビ電話。店とは別の場所に薬剤師を集約させて、そこで24時間のコールセンターを作り、お店に来たお客さんは電話で薬剤師に相談してから購入すればいいんじゃね?お客さん助かるっしょ?と考えたのです。

なんだか最近耳にする「お店に資格者が必ずいる必要はないんじゃないか」みたいな議論にちょっと似てますね。

私はまだその頃社会人ではありませんでしたが、新聞などでめちゃくちゃ批判されていたことをなんとなく記憶しています。実際、8月にスタートしたこのサービスは、その月のうちに一旦中止を発表。翌月には当時の厚労大臣が「現時点では違法」と言いました。一方、東京都知事は「大賛成」。賛否両論色々ありまして、翌年には正式に法律的にオッケーとなりました。

https://www.donki.com/ir/pdf/040819.pdf

今はもうテレビ電話は使ってないんじゃないかなと思います。登録販売者を配置して販売しています。

 当時のニュースリリースを見ると、「遠隔医療」なんて言葉が出て来て、まるで今日の取り組みのようです。でも20年前ですよ。

「薬事法を理解し遵守することは、当然と考えております。 その上で、「インターネット販売」「配置販売業」「特例販売業」「遠隔医療」など様々な研 究、検証を行った結果、薬剤師との対面によるテレビ電話を使った医薬品販売システムの 合理性に着目致した次第です」

https://www.donki.com/ir/pdf/030731.pdf

さて、そんな風にして、ある意味では先駆者的存在だったドンキが、自社のジェネリックを増やすというのが冒頭のニュースであります。

 

もう一つ別のニュースを。先週お知らせした、医療用医薬品のヒルドイドが市販薬のヒルマイルドの販売差し止めを求めたニュース。指摘されたヒルマイルド側(健栄製薬)が、早速25日にニュースリリースを出しました。それによると・・・

「法的手続において、専門家の判断を仰ぎながら、不当な「販売差止等仮処分命令 申立て」に対し、法律に則って闘って参る覚悟であり、弊社が築いた信用と信頼を傷つけた 行為に対して、毅然とした態度で臨みます」

https://www.kenei-pharm.com/cms/wp-content/uploads/2021/01/f46eedba9499a4855696b89442784459.pdf

すごいですね。意気込みを感じます。この問題、しばらく長引きそうです。