『家庭の薬学』

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総合診療5月号特集「進化するアウトプット」の感想

「総合診療」という医師向けの雑誌の5月号で『臨床医のための進化するアウトプット 学術論文からオンライン勉強会、SNSまで』という特集が組まれていました。面白そうなので買って読みました。

なかなか味わい深い特集でした。特に、私が大好きな書籍の著者である倉原優医師も特集の執筆陣に加わっていたことが嬉しかったです。

SNSやブログで活躍されている医師はたくさんいます。本特集を読むと、どの方も、ブログなどを通じて地道に情報発信されていたことがわかります。私とは別の場所にいる方々ではありますが、根底にあるのは日々の泥くさい努力の積み重ねでして、読んでいて思わず親近感を抱いてしまうような、素敵な内容でした。

印象的だったのは、小説家の夏川草介さんの「医師兼作家」についての考え方。さすが小説家だけあって、こう言っては他の方々に失礼ですが、他の執筆陣とは頭一つ抜けた文章です。わかりやすい、とか、面白い、とか、最近は手頃な文章がネット上で簡単に読めますが、やはり本職の書くものは次元が違うと私は感じました。

実用性でいうと、”ヤンデル先生”でおなじみの市原真医師の文章にも大きな学びがありました。病理というマニアックな分野に立つ市原医師のSNS戦略は「居心地の良い場所作り」だそうです。

居場所を用意して、待つということ。話芸を磨きキラーフレーズを用意しても情報は届かない。”優れた温泉地”であり続ける人を、インフルエンサーと呼ぶのだろう。

と市原医師は書いています。そしてそのための7つのルールを紹介しています。

楽しい内容をつぶやく。興味を惹かれることをつぶやく。事実をただ伝えるのではなく、それを自分がどう感じて、どのように伝えたいと思っているのかをきちんと含める。自分が「センセイ」になりすぎないように。できれば人の悪口を言わないように。いつでもそこに来れば会えると、みんなに思ってもらえるように。ぬくもりが伝わるように。

市原医師の文を読むだけでも、本書(2750円)の半分くらいの値打ちはあると感じました。

最後に、特集執筆者の一人、中島啓医師が紹介していた、時間効率化のための便利グッズを紹介します。ちょうど先日、妻とこのタイマーの話をしていたところでした。買おうかどうか、迷ってます。「タイムタイマー」という時計です。えっ!カワイイ!