『家庭の薬学』

自分に合った市販薬を選びませんか?

市販薬業界のミニマリスト?「真逆発想」のぬりぐすりが発売【2023/5/29~6/2のニュース】

ジャパンメディックというメーカーが、「ホームメディック」というブランドで市販薬を発売しました。この外用薬の開発には、私も0.000001%だけ関わらせていただきましたので、紹介させてください。最初にお断りしておきますと、関わった以上COIがゼロとは言えませんが、この件で金銭報酬はいただいていません。念のため。あくまで同社の開発理念に共感した上でのご紹介です。

ジャパンメディックは、国内大手メーカーの薬を作っている会社です。どこのドラッグストアにも並んでいる有名な薬も、パッケージをよく見ると製造販売元はジャパンメディックであることが珍しくないくらい、技術と実績を持った企業です。

そんなジャパンメディックが、独自のブランド「ホームメディック」を5月29日からスタートしました。ブランドの特徴は、同社の次の一文に集約されているでしょう。

OTC医薬品は、有効成分を多品種配合したものやパッケージが派手で店頭での視認性を高めたマーケティング志向の商品が多く見られるなか、『Home Medic(ホームメディック)』は、有効成分を厳選し、必要な種類を必要な分だけ入れた既存商品とは真逆の発想で開発した〜〜<以下略>

https://www.japan-medic.co.jp/wp-content/uploads/2023/05/adbf394faccb10264f0037889198b1d6.pdf

もちろん、このブランドの特徴は他にもあるわけですが(それはサイトをご覧ください)、薬剤師的には、上記の部分に注目します。

拙著でも書きましたが、日本の市販薬の成分は、不必要なほど多すぎるとされています。多くても効果が高ければいいのですが、効果の差が不明なまま、見た目の成分数だけが競争要因になっているような状態です。そうした市場にあって、さながらミニマリストのような同社の取り組みです。

製品は同社のサイトで販売されています。硬直化している市販薬産業に新しい風を吹き込み、消費者利益に繋がることを期待します。

ジャパンメディック株式会社

 

さて、もう1つ今週の市販薬ニュースです。せき、たん、のど痛などに効果のある「ヴイックス メディカル トローチL」(第2類医薬品)が6月1日に発売しました。トローチというところが珍しいですね。

ところでこの新商品のパッケージ、ヴイックスののど飴と似ています。のど飴と、医薬品ののど飴の区別がついていない利用者は珍しくありません。ご注意を。デキストロメトルファン、グアヤコールスルホン酸カリウム配合。

せき、のどの炎症によるのどの痛みに「ヴイックス メディカル トローチL」新発売!|大正製薬