『家庭の薬学』

自分に合った市販薬を選びませんか?

毎日使える「オールインワン」ヒルドイドがコーセーから発売【2020/7/6~7/10のニュース】

今週はポツポツといくつかのニュースを・・・。

まず一番の注目は、コーセーとマルホが共同で『Carté(カルテ) ヒルドイド』というスキンケア商品を9月16日に発売するというニュース。

ヒルドイドという名前から連想されるように、医療用医薬品のヒルドイドと同じ保湿成分「ヘパリン類似物質」を使っています。濃度は医療用よりも低いようですが、その代わり普段使いのスキンケア用品として毎日使うことができる「医薬部外品」として発売されます。

医療用のヒルドイドは、同じ成分のものが市販薬としてもすでに多くあります。ただ、こちらもあくまで「薬」ですから、日々のスキンケア向きに作られた商品ではありませんでした。ヘパリン類似物質という機能性の高い成分がありながらも、それを普段使いできる商品が身近になったわけです。

一方で、皮膚科の病院では、美容ためのスキンケアにヒルドイドが大量に処方されているという問題がありました。公金によって美容ケアが行われていたわけです。これは数年前に大問題になりました。

こうした今までの経緯があって、今回のコーセーの新ブランドが登場しました。しかも、パートナーを組んだのは、ヒルドイドの製造元であるマルホ。一般の方には馴染みが薄い企業でしょうが、医療分野では塗り薬のトップメーカーです。実をいえば、ヘパリン類似物質を使った医薬部外品はロート製薬から「ヘパソフト薬用保湿ローション」としてずっと前から発売されています。そういう意味では、特に新しいわけではないのですが、トッププランドのマルホとの共同開発ですし、化粧品メーカーらしく化粧水乳液だけでなく「オールインワン」もラインナップに入っているので、とても使い勝手は良いと思います。私はここが一番の価値かなと思っています。

市販薬としてのヘパリン類似物質はそれほど売上に結びついていないという印象ですが、さてどうなるのでしょう。今後に注目です。

 

そのほか・・・

久光製薬から「エアー®サロンパス®Z」が新発売。ってこれは6月30日で先週のお話でした。キャップがない(キャップレスロック式)ので使うのが便利なようです。プラスチック使用量もキャップ付きと比べて31%削減で環境にも配慮しています。

それから、これは業界内の話になりますが、5月の市販の風邪薬の売り上げは対前年比で半減したそうです。コロナの影響で市販薬の需要が増しそうだと思っていたのですが、風邪薬はむしろ需要は減ったのですね。驚きですが、言われてみれば実感とも一致してます。うがい薬や消毒薬は売れましたけど、風邪薬はそうでもなかったなと。

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