ドラッグストアとジャーナリズム

自分に合った市販薬を選びませんか?

【2021年版】ドラッグストア利用者は絶対知っておきたい市販薬ニュースTOP10

2021年はどんな年でしたか?

今年もお世話になりました。毎年恒例の市販薬ニュースTOP10をお届けします。これだけ読んでおけば、市販薬のトレンドが掴めると思います。

振り返れば様々な変化に富んだ今年の市販薬業界。6月に刊行した拙著『その病気、市販薬で治せます」に書いた情報でさえ、もう、ちょっと古くなりつつあるかもしれません。

それではいってみましょう、今年の10大ニュース!今年最後のブログ更新です。このブログも、気づけばもう丸7年!いつもありがとうございます。

2021年10大ニュース発表!

10位 新規性の高い市販薬「アースシラミとり」「マキロン アクネージュ」「ダストメル」が発売

企業努力がうかがえるユニークな市販薬が複数発売されました。筆頭は8月20日に発売した「アース シラミとりローション」です。医薬部外品なので、正確には医薬品ではありませんが、ジメチコンを有効成分とする日本初の頭ジラミの対策製品です。神経毒でシラミを殺すスミスリンとは異なり、ジメチコンがシラミの体を包み死滅させます。海外ではジメチコンが使われているので、スミスリンとの比較論文もあります。一度まとめて紹介したようと思っていたのですけど、もう年末・・・。すいません。今まで頭ジラミといえば、薬剤耐性のあるシラミ向けの「スミスリンシャンプープレミアム」が最上位だったかと思いますが、新たな選択肢が登場したことになります。

このほか、マキロンブランドからニキビ薬「マキロンアクネージュ」が3月に発売しました。日本初となる殺菌成分ベンゼトニウム塩化物を配合したニキビ治療薬です。もともと、ネット上に「ニキビにマキロンが良いらしい」という情報があったようです。そこで開発されたのがマキロンの成分ベンゼトニウムを使ったニキビ薬、なのかなと(裏はとってません)。エビデンスが見当たらなかったので効果は未知数ですが、日本初のユニークな製品といえるでしょう。個人的には、アダパレンはよ・・・という気持ちはありますが。

また、ムヒブランドから「ダストメル」というかゆみ薬も4月に発売されました。「世界初!ユーカリ油塗布による皮膚アレルギー抑制効果を発見」という研究リリースを1月に発表し、4月にユーカリ入りのかゆみ薬を発売しました。これも面白いですね。まあ、薬ですから、「面白い」ですませては不十分なので、マキロンにしろムヒにしろ、もう少し具体的なエビデンスが今後集積されていくといいなと思います。

気になる新商品「のどぬ〜る」「アースシラミとり」【2021/8/30~9/3のニュース】 - ドラッグストアとジャーナリズム

9位 キャラクター目薬に新たな試み「猫耳目薬」

もうここ何年も続いているキャラクター目薬。今年は3月に「刀剣乱舞」(刀剣乱舞は以前にもコラボ目薬がありました)、12月に「鬼滅の刃」が発売されました。でも、そこまで爆発的なヒットにはならなかった印象です。その中で面白かった取り組みが、ロートの「猫耳目薬」です。SNS状で猫のモデルを募集して、その猫の耳のデザインを容器にした目薬を発売しました。ネットメディアの報道によると、ロートは「消費者と一緒に目薬容器のデザインを決定する“共創マーケティング”。猫耳目薬はこれまでにはなかった手法で誕生した」と話しているそうです。売り上げの一部が動物保護団体に寄付されたことも、なかなか粋です。

「猫耳目薬」13日発売 SNSで公募した猫をモデルに、ロート製薬 - ITmedia NEWS

8位 新商品前線に異常あり!?安全性重視か

今年も様々な市販薬が登場しましたが、コロナの影響もあってか、今までとは傾向が異なったように思います。9月にはアセトアミノフェンの低価格商品「アセトアミノフェン「クニヒロ」」が発売しました。また、大手メーカーの新商品も、今までとは異なったアプローチをしていると感じました。詳しくはこちらのリンクをご覧ください。

新時代到来!?市販薬に「成分が減った」新商品が続々登場するワケ【2021/10/18~10/22のニュース】 - ドラッグストアとジャーナリズム

7位 クラリチンEXが第二類に

クラリチンEXが1月に第二類になりました。薬剤師不在時でも購入できます。次の花粉症シーズンには活躍することでしょう。

6位 アレグラジュニアが第二類に

小児用の花粉症薬「アレグラジュニア」も11月に第二類になりました。

5位 ロキソプロフェンに新しいラインナップ「クイック」「液」

トップブランドのロキソニンシリーズに新たなラインナップの登場です。8月に発売した「ロキソニンクイック」。早く溶ける、というのが特徴です。早く溶ける=早く効く、と言えるのか、やや微妙なところではありますが。それから、大正製薬から「ロキソプロフェンT液」という液体のロキソプロフェン(ロキソニンの成分名)が9月から全国発売しました。もともと、一部のドラッグでは売られていたのが、今年、正式に全国発売となりました。

4位 頻尿の薬バップフォーが市販薬に

バップフォーの市販薬版、バップフォーレディが11月に発売しました。市販版は、女性限定のお薬です。バップフォーレディは厚労省の評価検討会議で、「お薬手帳に貼るシールを添付してはどうか」という意見が上がっていたのですが、発売してみると、ちゃんと販売店向けにシールが配布されました。こうした工夫がスタンダードになると嬉しいですね。

日本初、世界初、我慢できないトイレ薬「バップフォー」成分が女性用市販薬で登場【2021/11/22~11/26のニュース】 - ドラッグストアとジャーナリズム

3位 メジコン、リンデロン、PL Pro、おなじみの病院が市販薬に続々登場

「病院並み」の市販薬が増えています。「リンデロンVs」が2月に、メジコンと同じ成分・同じ容量の薬「メジコンせき止め錠 Pro」が8月に、そしてPL配合顆粒と同じ容量の「パイロンPL顆粒Pro」が8月に発売しました。どれもシオノギですね。メジコンは市場でもよく売れているような気がします。今後は、乱用市場への影響がやや気になるところです。

ついに咳止め薬のメジコンが市販薬に。乱用対策は大丈夫?【2021/8/9~8/13のニュース】 - ドラッグストアとジャーナリズム

2位 成分わずか1%? 栄養ドリンク不正事件発生

年の瀬に飛び込んできた驚愕のニュースです。市販薬で悪質な改ざんを行なっていたとして滋賀県の製薬メーカーが12月、業務停止処分を受けました。市販薬業界における最近の行政停止処分をめぐる動きについてまとめましたので、こちらのリンクをご覧ください。こうした不正は今後も暴かれていきそうです。

中国の人も真っ青では。日本の市販薬の品質信頼を揺るがす不正事件発生【2021/12/20~12/24のニュース】 - ドラッグストアとジャーナリズム

1位 ワクチンの副反応対策の鎮痛薬、結局どれがいいの?

今年もっとも市販薬販売の現場を混乱させた話題といえば、ダントツでこれでしょう。色々な意見があるとは思いますが、とりあえず、「使い慣れたものであれば、どれでもいい」というのが教科書的な回答で良いと思います。

今年、あるいは去年ほど、市販薬が世間で注目された年はあったでしょうか。多くの人が市販薬を買い求め、そして、「どうやって選べばいいのか」という疑問に当たったかと思います。

ワクチン対策の鎮痛薬だけではありません。個人的には、コロナ対策で自己治療する人が印象的でした。例えばコチラ。思い返してもすごい話です。

もし「市販の駆虫薬がコロナに効く」という誤情報を、身近な人から聞いたら?【2021/8/23~8/27のニュース】 - ドラッグストアとジャーナリズム

この話以外でも、コロナ対策に抗ヒスタミン薬が良いという情報もありました。

市販薬に処方薬と同じ成分が増えると、エビデンスのある市販薬が増えることになります。今はエビデンスがネットで広まり、誰もでアクセスできますから、そこから「独自解釈」した市販薬の使い方が、今後、増えるのではないかと私は思っています。言い換えれば、今まで以上にリテラシーが必要な、すごい時代になったということです。

圏外でも大事なこと

10大ニュースからは漏れましたけど、大切なことはたくさんありました。緊急避妊薬の議論、12月に発売したむくみ治療に使う西洋ハーブの薬「ベルフェミン」、10月のマツキヨとココカラファインの経営統合、零売報道の増加、研究用抗原検査キットの販売の是非、アリナミン製薬の登場などなど・・・。ちょっと書ききれないですけど。来年も、市販薬が盛り上がってくれるといいなと思っています。

 

最後に、今年のkurieditsとしての主な仕事をまとめておきます。

・週刊新潮 インタビュー記事

・週刊女性 インタビュー記事

・薬局新聞 インタビュー記事

・雑誌「波」寄稿

・デイリー新潮、文春オンライン、ダイヤモンドへの記事転載

・書籍『その病気、市販薬で治せます』

・書籍『クスリとリスクと薬剤師』

 

本年も大変お世話になりました。関わってくださった全てに感謝します。

来年は新しいことに挑戦する予定です。