年の瀬ということで、クラシエが<2023年、最も売り上げを伸ばした漢方薬>を発表しましたので紹介します。昨年からクラシエが始めたこの企画。漢方薬のトレンドを見て1年を振り返るというものです。
まとめると次の結果です。
・2023年も漢方市場は拡大
・20代30代で需要が増加傾向
・一番伸長率が高かったのは「響声破笛丸(きょうせいはてきがん)」
・伸長率上位3つは喉・咳関連の漢方薬
・「耳鳴り」関連の漢方薬も伸長
・2024年以降はフェムケア
https://www.kracie.co.jp/release/10188960_3833.html
「響声破笛丸」が最も伸びたようですが、これは小林製薬が8月に「コエキュア」という名前で同漢方薬を発売した影響が多いと推測されます。元々ほとんど市場に出回っていなかった漢方薬なので、伸び率だけ見ると群を抜いたのではないでしょうか。
耳鳴りは、8月にクラシエが「滋腎通耳湯」を聴力低下の薬として発売しました。商品の効能には耳鳴りもあるので、市場が伸びたのかもしれません。小林製薬が2022年に「ナリピタン 当帰芍薬散錠」を発売した影響もあるかもしれません。
ともあれ、市販薬の漢方薬は活況です。ラインナップも毎年増えています。
もう1つニュース。佐藤製薬の「ユンケル」の中身が新しくなって12月8日から発売しました。「従来品と比べて新たにエレウテロコックを追加し、配合生薬は全8種類に。またγ-オリザノールも新配合し、ニンジンは従来品の約4倍、ニコチン酸アミドも約5倍に増量。味もすっきり飲みやすくなりました。」とのこと。
https://www.sato-seiyaku.co.jp/newsrelease/2023/231208/
エウレテロコックは日本では「五加皮(ゴカヒ)」「刺五加(シゴカ)」「エゾウコギ」などと呼ばれています。広く言えば滋養強壮。抗ストレスと結び付けられることもよくあります。割と、いろんな栄養剤に使われています。
こうしたリニューアルは、増えた成分もあれば、こっそり減らされている成分もあるのですが、今回のユンケルのリニューアルは生薬成分を純粋に増やしたようです。ビタミンB1やB12はなくなっているですが、生薬成分が増えたことは好感度です。こうした栄養ドリンクは、グレードが高くなるほど、ビタミン類が減り、生薬が増えます。そうした意味では、リニューアルで充実したといっていいのではないでしょうか。