第一三共ヘルスケアは今週、ロキソニンを配合した風邪薬「ロキソニン総合かぜ薬」を3月13日に発売すると発表しました。現在5種類あるロキソニンシリーズの中で、咳止め薬や鼻水止め成分などを総合的に配合した初めての薬です。「要指導医薬品」で購入時には薬剤師による安全確認が必要。ネット通販の購入はできません。また、濫用の恐れのある成分を配合しているため、一人1点までしか買えません。服用できるのは15歳以上です。
https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/release/loxonin-colds240125.html
「ロキソニン総合かぜ薬」は次の成分を含んだ風邪薬です。
・ロキソプロフェンナトリウム水和物 204.3mg (無水物として180mg):解熱鎮痛成分
・ジヒドロコデインリン酸塩 24mg:咳止め成分
・dl-メチルエフェドリン塩酸塩 60mg:気管支拡張成分
・ブロムヘキシン塩酸塩 12mg:痰の粘りを取り、出しやすくする
・クレマスチンフマル酸塩 1.34mg:鼻水などを取り除く抗ヒスタミン成分
ロキソプロフェン(ロキソニンの成分名)を含んでいること以外は、比較的オーソドックスな成分構成です。その中での特徴としては、カフェインが配合されていないことでしょう。
同じくロキソプロフェンを配合している風邪薬には、このブログでも取り上げた昨年10月発売の「コルゲンコーワLX錠」があります。こちら↓
コルゲンの風邪薬はカフェインを配合しています。
コルゲンとロキソニン風邪薬は、どちらも大きな差はないと思われます。眠気を邪魔されたくないのならカフェインフリーの「ロキソニン総合かぜ薬」、頭の重さを少しでも取りたいならカフェイン配合の「コルゲンコーワLX錠」という選び方ができるでしょう。
ところで話は変わりますが、先日、出雲駅伝でドーピングによって失格処分となるチームが出たとの報道がありました。
「出雲駅伝でドーピング違反が判明」
https://news.yahoo.co.jp/articles/460a078f8d2a3e56a0739bf0f4ebc2fe0f9fe639
市販薬とドーピングも、密接な関係にあります。特に、意図せずに風邪薬などに含まれる禁止薬物を摂取してしまうことは「うっかりドーピング」と呼ばれており、過去に市販薬の服用で失格となった選手もいます。
今までロキソニンシリーズは「ドーピングに引っかからない薬」として認知されてきました。ところが今回、「ロキソニン総合かぜ薬」が登場したことで、ロキソニン安全神話も終わりを迎えることになりました。ロキソニン総合かぜ薬には、禁止薬物が含まれているからです。競技選手のかたはご注意ください。