『家庭の薬学』

自分に合った市販薬を選びませんか?

去痰薬「ムコダイン」が市販薬で発売【2024/2/26~3/1】のニュース】

痰切りの薬「ムコダイン去たん錠Pro500」が3月1日に発売しました。風邪で病院で処方される「ムコダイン」「L-カルボシステイン」と同じ成分、同じ量の市販薬は国内初でしょう。2024年はビッグネームが立て続けに市販薬として発売されています。

https://www.shionogi-hc.co.jp/content/dam/shc/jp/news/2024/03/240301.pdf

カロナール<解熱鎮痛剤> 2024年1月発売

マグミット<便秘薬> 2024年2月発売

ムコダイン<去痰薬> 2024年3月発売

ムコダインは「L -カルボシステイン」という成分の痰切り薬です。粘度の高くなった痰を、サラサラにすることで、痰を出しやすくしてくれます。ついでに鼻水も出しやすくしてくれることから、病院では鼻風邪の小さなお子さんにシロップ剤としてよく処方されます。今回市販薬になったムコダインは大人向けの錠剤で、15歳から服用可能です。

L-カルボシステインは成分としては従来の市販薬にも使われていました。しかし、それらは1日量が半分で、その代わり他の痰切り成分と一緒になった製品でした。今回、ムコダインの市販化で、正真正銘、病院と同じ量の成分が配合されたことになります。

ムコダインは日本では1980年代に医療用として登場した薬です。かなり古い薬でありながらも、咳や痰症状の定番中の定番品として今日でもよく使われています。そのムコダインが市販薬として登場したことは大きなニュースと言っていいでしょう。

もっとも、この製品の効能をよく見ると「たん」としか書かれていません。「咳」ではないのです。ムコダインの説明書には、他の咳止めと一緒には使わないようにと但し書きもあります。ムコダインは決して、咳に対して効き目が鋭いと言われるような薬ではありません。痰とそれに伴う咳の症状に1つだけ薬を選ぶとしたら、ムコダインの出番は、意外と限られてくるのかもしれません。